公開日 2022-11-17 , 最終更新日 2022-11-20
はじめに
最近めっちゃ円安で、このままやと円がやばいからと言って外貨預金勧められたわ
ちょっと営業トークなのは気になるけど、外貨預金について説明しようか
特に今回は、為替手数料について説明しよう
- 外貨預金について詳しくなれる
- 為替変動とインフレの関係とその対策方法について理解できるようになる
外貨預金の役割は?
よく、セールスマンやHPで資産運用としてオススメされるかもしれませんが、個人的には投資としては全くおすすめできるものではないです。
- 株のように資産自体が成長するわけではない
- 為替の変動は読みにくい
- 儲かっても税金が高くなりやすい
では、外貨の役割は何でしょうか。個人的な意見ですが以下の2つです
- 外貨建て商品の購入のため
- 為替変動時の保険
外貨建て商品の購入は当たり前ですので、保険というのはどういうことか、解説します。
外貨預金の活用方法!為替レートとインフレの関係
ちなみに税金や手数料は今回は考慮していないです
「仮に1ドル120円の時に1000ドル購入したとしましょう(日本円で約12万円)。これが直近の1ドル150円になると、この1000ドルの価値は15万円になり3万円の儲けとなります。逆に1ドル80円になると、1000ドルが8万円になり、4万円の損になります。」という説明を受けることが多いと思います。これは正しいんですが、ちょっと別側面を考えてみましょう。
逆にドル視点で考えてみましょう。1000ドルで購入できる量の石油をアメリカから輸入するとします。1ドル120円なら購入するのに120万円相当、1ドル150円なら150万円相当、1ドル80円なら80万円の円が必要となります。これが直近のインフレ (物価高) の考え方になります。
では、もう一歩ここから進んで、すでに1ドル120円の時に、先にドルをたくさん購入していたとすると、どのような行動が最適解になるでしょうか。1ドル150円なら150万円かけてドルに両替するのではなく、すでにある1000ドルで支払えばよいのですね。120万円で購入しているので30万円の利益になります。逆に1ドル80円なら手持ちのドルを使わず、80万円を1000ドルに両替して購入すればよいですね。つまり、外貨預金は円安時の保険ということになります。
投資商品としての外貨預金のデメリット
最初に挙げたデメリットを解説していきます。
- 株のように資産自体が成長するわけではない
- 為替の変動は読みにくい
- 儲かっても税金が高くなりやすい
これについて解説します。
株のように資産自体が成長しない
為替レートは通常は2国間の経済力など色々な要素が決まって読みにくいですが、仮に日本と米国の経済(GDP)がともに3倍に成長した場合、両国の株は3倍以上に成長していると思いますが、おそらく為替は大きく変動しないでしょう。
仮に円安に大きく振れたとしても、安い通貨を武器に輸出力が高まるため、揺り戻しの効果が生まれます。マスコミ中心に円安が止まらない!と煽ってますが、徹底的に供給力を破壊しない限り止まらない通貨安はないと思っています。
政府が為替相場に介入し、通貨安に誘導することによって国内産業の国際競争力は増し、輸出が増大する。さらに国内経済においても国産品が競争力を持ち、国内産業が育成される。やがて乗数効果により国民所得は増加し、失業は減少する。
wikipediaより引用
為替の変動は読みにくい
2022年1月ごろ、だれか1ドル150円まで円安が進むと予想していた人はいるでしょうか。円安側に振れるとはおもっていても、150円まで進むと思えるひとはわずかだったと思います。
たとえば、マネックス証券のこの記事「2022年の米ドル/円を予想する」(2021年12月の記事)です
2022年6月の「最初の利上げ」前後に米ドル高・円安は118円程度まで進むといった見通しになる(図表5参照)ただそれは、まだ米ドル高・円安の途上に過ぎない可能性がある。今回の米ドル高・円安は2021年1月102円から始まったが、経験的に米ドル/円のトレンドが2年以内、そして一方向へ2割以下の動きにとどまることは少なかった。別な言い方をすると、今回の米ドル高・円安は、2023年にかけて120円を超えていくといった見通しが基本と言えるのではないか。
マネックス証券の記事より引用
方向性はとらえているのですが、変動幅について全くあっていません。金融関係の人でも全然合わないのですね。これでも方向性はあっているのでましな方で、紹介はしませんが、頓珍漢な記事も出てきますね。
この円安を予測しつつ、その予想を信じて、大金を投資する。これはすごい胆力が必要です。
ちなみに私は昨年末は何も考えてなくて、100~120円のあたりをうろうろすると思っていました
儲かっても税金が高くなりやすい
為替レート差で利益を出すと、その利益は「為替差益」と呼ばれます。これは税金の対象で、「雑所得」という分類になります。
この雑所得というのは、一般に税率が高い上に、雑所得全体でマイナスになっても、給与所得などからマイナスされないです。(損益通算されない、損益通算はまた別途説明したいです。)
株などの利益はよく20%といいますが、これらと税金を比較してみます。すると所得が195万円で同等、330万円以上だと、株の利益 (譲渡所得)の方が税金が安いのがわかってきます。特に高所得者ほどその差は顕著です。株はさらにマイナスになっても3年先までの利益と相殺することができます。雑所得との扱いの差よ。
課税される所得金額 | 雑所得 所得税+住民税 | 譲渡所得(株の利益等) 所得税+住民税 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5%+10% | 15%+5% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10%+10% | 15%+5% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20%+10% | 15%+5% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23%+10% | 15%+5% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33%+10% | 15%+5% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40%+10% | 15%+5% |
40,000,000円 以上 | 45%+10% | 15%+5% |
【番外編】預金保護の対象外である
番外編として、外貨預金は預金保護の対象外です。これは、預けている銀行が破綻したとき、1000万円まで保護される制度ですが、外貨預金はこの枠外になります。
最後に
外貨預金についていかがでしたでしょうか。何事もメリット・デメリット両面があります。上手に活用していきましょう。
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